2005年 11月 04日
不思議なこと
この現実が嘘のように思える時がある。
きらきらまばゆい都会の明かりが映りこんだ、ビルの窓の中の景色。
そこにあたしが居る。あたしの姿が重なっている。
それを見た瞬間、時々、漠然と「嘘のよう」と思えてくる。
なんでだろ。
あたしの心はここに在って、でもここに在らず…な感覚におちいるのは。
この場所が、住み慣れた故郷ではないからか。
…。
ここに居る「あたし」はだあれ?何故ここに?
綺麗にお化粧をした女の人の肩が、不意にそんな私とぶつかる。
「ごめんなさい!!」
と頭をさげて謝る姿に、私も、慣れない標準語で
「私もぼんやりしてたので…ごめんなさい」
と返す。
ふっと我にかえる。
そうだ、あたしはここで生きていこうと決めたんだ。
だから、今ここに。
きらきらまばゆい都会の明かりが映りこんだビルの窓に、もう一度自分を映して、冷たい風に乱れた前髪を直す。マフラーを巻きなおす。
そしてまた歩き出す。左手を胸にあてて、深呼吸をしたあと。
月が、規則的、同じ間隔で、新月から満月に巡り巡るサイクルのように、私の心に規則的、同じ間隔で廻ってくる。この現実が嘘のように思える時が。
この場所が、住み慣れた故郷ではないからか。
それともこの場所が、あまりにゆらゆらと儚いからか。
不思議だ。
by yui-nikki
| 2005-11-04 23:30
| オモフ